転勤族の暮らしの知恵

転勤族主婦のブログ。暮らしのヒントや引っ越しのコツなどを綴っています。

在宅ワークの個人事業主が引っ越し時に忘れがちな届出手続きについて

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2017年10月、夫の県外転勤により、

在宅ワーカーの私は家を引っ越しました。

 

前回の引っ越しの時には、

私もまだ会社勤めをしていたので、

役所への転出・転入届など

ごく一般的な手続きだけで済みましたが、

今回は違います。

 

在宅ワーカーが引っ越すということは、

事業所の場所も変わるということ。

 

つい忘れがちな手続きですが、

納税地が変更になるので

当然、税務署へも届け出が必要なわけです。

 

念のために提出書類や提出場所、

提出時期などをインターネットで調べたのですが、

情報があいまいでわかりにくかったので、

直接、税務署に行って確認してきました。

 

 

住所変更に関する届出の5つの疑問点

 

在宅ワークを始めると決め

税務署へ開業届を提出した時に、

引っ越し時に必要な届出書について

職員の方へ確認はしていたのですが、

3年も経過していたこともあり

不安だったのです。

 

国税庁のホームページも見ましたが、

申告所得税関係書類だけでも43種類。

 

見れば見るほど混乱し、

インターネットで調べてみたものの

答えがどれも微妙に違うんですよね。

 

私が疑問に思ったのは次の5点です。

 

1.開業届の再提出が必要?

2.届出書の提出場所

3.届出書の提出時期と提出方法

4.青色申告関連書類の住所変更は?

5.納税地の「異動」に関する届出書だけで良い?

 

「変更」に関する届出書も必要?

わからないことだらけでした。

 

「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」

必要なことだけは知っていたので、

あらかじめ作成したものを持参の上、

引っ越す前に税務署で手続きを再確認したのです。

 

疑問が解決してほっとしました。

 

【疑問1】開業届の再提出は必要? 

 

「個人事業の開業・廃業等届出書」、

いわゆる開業届は事業を開始する時に

税務署へ届け出るものなので、

普通に考えれば要らないはずです。

 

でも、改めて開業届を確認したところ、

気になる部分を見つけてしまいました。

開業届の画像
それは「届出の区分」の中の

事務所・事業所の(新設・増設・移転・廃止)

という項目と、

事務所等を新増設、移転、廃止した場合

と書かれているところです。

 

家を引っ越して住所が変わるということは、

事業所の「移転」になるので、

開業届の再提出も必要なのでは?

と思ってしまったわけですね。

 

【答え】開業届の再提出は不要

 

税務署で確認したところ、

開業届の再提出は不要とのことでした。

 

「移転」というのは、

今まで家で仕事をしていたけど、

別の場所に事務所を借りて同じ仕事をするよ、

ということなんだとか。

 

「自宅=事務所」のままで家を引っ越す場合は、

単純に住所変更するだけで、

「移転」には該当しないということです。

 

そのため開業届の再提出は不要で、

「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」

提出するようにとのことでした。

 

【疑問2】届出書の提出場所について

 

パソコンで届出手続きについて調べた時に、

一番悩んだのが提出場所です。

 

「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」の

提出場所に3パターンあることに気付き、

正しい情報がわからず悩みました。

 

ネットで見つけた3つのパターン

 

その3パターンは次の通りです。

 

・引っ越し「前」の住所地の税務署に出す。

・引っ越し「後」の住所地の税務署に出す。

・両方の住所地の税務署に出す。

 

私の探し方が悪かったせいか、

国税庁のホームページでわからなかったので、

税務署で聞いてみることにしました。

 

【答え】引っ越し「前」の住所地で提出

 

税務署の職員の方へ確認したところ、

引っ越し「前」の住所地の税務署だけに、

届出書を提出すれば良いとのこと。

 

例えば、山形県山形市から

北海道函館市へ引っ越す場合は、

山形税務署だけに、

届出書を提出することになりますね。

 

【疑問3】届出書の提出時期と提出方法

 

「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」の

提出時期と提出方法は、

国税庁のホームページでも確認できましたが、

念のため税務署で再確認。

 

新しい住所が決まったらすぐ、

引っ越し前の税務署へ直接か

郵送で提出すると良いとのことです。

 

私は今回時間的に余裕があったので、

引っ越す前に税務署窓口へ提出しましたが、

いつもはハードスケジュールなので、

税務署に行く余裕がありません。

 

引っ越し後に郵送提出しても、

問題ないのでしょうか?

 

税務署で確認してみました。

 

【答え】郵送でも提出できる(引っ越し後でも問題ない)

 

確定申告書が郵送提出できるのと同じで、

「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」も

郵送で提出することができ、

引っ越し後に郵送しても問題ないとのこと。

 

引っ越す前の住所地にある税務署長宛てに、

できるだけ早く郵送しましょう。

 

ただし、郵送の場合には注意点があります。

 

届出書を郵送する場合の注意点

 

税務署窓口に提出する時にも

写真入りのマイナンバーカードや、

マイナンバーカードを作っていない場合には、

通知カード(なければマイナンバー記載の住民票)と、

運転免許証等の本人確認書類が必要。

 

郵送の場合には、

マイナンバーカードなどを

表も裏も両面コピーして、

届出書と一緒に送付するのを忘れずに。

 

確定申告書を郵送提出する場合と同じですね。

 

本人確認書類については、

国税庁のホームページを確認しましょう。

 

【疑問4】 青色申告関連書類の住所変更は?

 

私は所得税の青色申告承認申請書を

税務署に提出しています。

 

書類を再度確認したのですが、

特に住所変更等の項目がなかったので、

手続きをどうしたら良いかわからず、

税務署で聞いてみました。

 

【答え】特別な手続きは不要

 

青色申告用の住所変更書類は特に無く、

特別な手続きは要らないとのこと。

 

「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」の

提出だけで大丈夫でした。

 

【疑問5】納税地の「変更」に関する届出書も必要?

所得税納税地の異動届と変更届の画像

国税庁のホームページで、

申告所得税に関する書類の一覧を見た時、

混乱してしまったのが、

納税地の「変更」に関する届出書と

納税地の「異動」に関する届出書の

2種類あったことです。

 

所得税・消費税の納税地の「異動」に関する届出書は、

提出が必要な書類ですが、

「変更」の方も提出が必要なのでしょうか?

 

頭の中が混乱してきたので、

税務署で聞いてみました。

 

【答え】納税地の「変更」に関する届出書は不要

 

あくまでも家を引っ越す場合は、

納税地の「異動」に関する届出だけで、

手続きは完了するとのこと。

 

ですから、「変更」に関する届出書は不要。

 

転居を伴わずに何らかの理由で、

納税地を変更する場合には、

「変更」の方を提出するんだとか。

 

今回は引っ越しによる届出なので、

「異動」の方だけを出せば良いわけです。

 

届出書の書き方と注意点

 

「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」は、

国税庁のホームページからダウンロードし作成。

 

記入欄へ直接入力できるので便利です。

 

届出書の記入欄に必要事項を入力するだけなので、

書き方はとても簡単なはずなのに、

なぜか私は間違った記載をしていたのです。

 

【注意!】慌てると誤記入しやすい項目

納税地の異動に関する届出書の書き方

落ち着いて書けば良いだけの話ですが、

引っ越しでバタバタしている時に作成すると、

つい間違いやすい項目があります。

 

それは一番上の「納税地」。

 

私、間違って引っ越す前の住所を書き、

税務署の窓口に出してしまったんですね。

 

納税地には新住所を書きます。

 

あとは項目を埋めていくだけ。

 

・旧住所地の税務署名

・提出日

・納税地(新住所)、電話番号

・氏名

・生年月日

・個人番号(マイナンバー)

・屋号(ある場合のみ)

・異動年月日(住民票の異動日と合わせる)

・納税地(旧住所と新住所)

・事業所の所在地及び事業内容

 

氏名の隣に印鑑(シャチハタ以外)を押します。

 

誤記入部分は訂正印で修正できる

 

旧住所を誤って書いてしまったので、

届出書を全て書き直そうとしたのですが、

税務署の職員の方が、

二重線を引いて訂正印を押し、

空欄に新住所を記載すれば良いと

教えてくれて助かりました。

 

訂正印は氏名欄へ押す印鑑と

同じ印鑑を使います。

 

私は窓口提出だったので、

訂正印で済みましたが、

郵送の場合はそうはいきませんよね。

 

内容を落ち着いて確認してから、

提出するように気をつけましょう。

 

税務署へ届出書を持参する時に必要なもの 

 

郵送ではなく引っ越す前に税務署へ行き、

直接、届出書を提出する場合に、

忘れずに持って行くものがあります。 

 

・「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」

・上記届出書の控え

※控えも国税庁ホームページで作成できます。

・印鑑(シャチハタは不可)

・マイナンバーカード

 

※マイナンバーカードが無い場合は、

マイナンバーの通知カードと、

運転免許証やパスポートなどの

本人確認書類を持参します。

 

通知カードが無い場合は、

マイナンバーを記載した住民票を取り、

本人確認書類と一緒に提出して下さいね。

 

新住所地の税務署へ行く必要はない

 

家を引っ越した場合の手続きは、

引っ越す前の住所地の税務署へ

届出書を提出するだけで完結するため、

新住所地の税務署へ行く必要はありません。

 

でも、今回初めてのことだったので、

本当に新住所地の税務署へ

何も出さなくて良いのか不安でした。

  

受理されたことを確認でき安心

 

そのまま年が明け、忘れかけていた時に、

受理されたことを確認でき一安心。

 

2018年1月末に確定申告書が

現在暮らしている住所地の税務署から、

ゆうメールで送られてきたんですね。

 

もちろん、印刷されていたのは現住所。

これでやっと、安心しましたよ。

 

頻繁に引っ越すなら覚えておこう

 

短い期間で転居を伴う転勤がある

転勤族の家庭の主婦で、

在宅で仕事をしているのであれば、

ご主人の転勤の度に、

税務署への異動届提出が必要です。

 

他の引っ越し手続きと同じように、

忘れないよう準備しておきましょう。

 

転勤族の引っ越しは、

スケジュールがシビアで大変ですが、

税務署への届け出は、

転居後、郵送でもできますので、

落ち着いて対応して下さいね。

 

4月1日付の内示が出始める時期。

 

そろそろ転勤かなと思うのであれば、

国税庁のホームページから、

あらかじめ届出書をダウンロードし、

準備しておくことをおすすめします。